水は海へと流れる
水は海へと流れると題した展示では、持続可能性の概念を基盤として、自然素材を用いて作られた工芸品の現代的な価値を 強調させています。
海はポルトガルの文化を構成する重要な要素の一つであり、ポルトガル本土の広大な海岸線やアゾレス諸島、マデイラ諸島において至る所にその存在が感じられます。ポルトガル沿岸部、特にアソーレス諸島の伝統工芸は、風土や景観、特に水や海との深い関わりを大切にしていることから、その価値が高く評価されています。 陶器、籠細工、木工、植物繊維、レースなど、多様な種類と素材から織りなす工芸品で知られており、伝統的な職人技と現代的な 製法が融合しています。
文化芸術プログラム
食物繊維のワークショップ
自然から直接採取される植物繊維は持続可能な原材料であり、伝統的に家庭用品の製作に用いられるほか、農業、漁業、建設分野でも利用されています。この様な持続可能な原材料は、現代的なインスピレーションが取り入れられながら、装飾作品を形作るためにも 活用されています。これらのワークショップの来訪者には、オオフトイや葦(アシ) といった素材を加工するための技術を学ぶ機会が提供されます。
ワークショップの開催日時は8月23日から8月28日まで、11:00~12:30 および 15:00~16:30に開催されます。
- マヌエル・フェレイラ – オオフトイで作る家具
- ドミンゴス・ヴァシュ – 葦(アシ)で作るバスケット
ポルトガル音楽のコンサート(20時30分)
- 8月22日ウ・ガジョ(O Gajo)
- 8月28日バンドゥア(Bandua)
- 8月29日エスプレッソ・トランスアトランティコ (Expresso Transatlântico)
- 8月30日ア・カンタデイラ(A Cantadeira)
水を注ぐもの:
水の運搬・保存・飲用のための容器。陶器とコルクは、その素材特性と多用途性により、水との相性が非常に優れた天然素材である。古代から、少ないエネルギーで水を冷やしたり、保存したりする自然な解決策として用いられてきた。
水面の下:
魚やタコを捕まえるための漁具「コヴォ」と「アルカトルーシュ」は、海底に仕掛ける隠れ家型の仕掛けです。セイヨウヤナギや粘土は、天然かつ持続可能な素材であるため、他の生物や環境への悪影響を与えません。
海に行く者は陸で備えよ
海との共生によって生まれた手工芸。ボビンレースはポルトガル各地に広まり、特に沿岸部で盛んになりました。このレースの現在の主な生産拠点は、ポルトガルのヴィラ・ド・コンデとペニシェです。割木で作られた籠細工は、農作業や漁業に役立つ実用的な容器として発展しました。カナストラは、行商の女性(ヴァリーナス)が魚を頭に載せて運び、販売するために用いたモデルです。
海の全てが水とは限らない
アソーレス諸島の職人たちは魚の鱗や鯨の骨といった、海からの贈り物を巧みに加工
します。また、海も波で木材を「運び」、時にそれが実用的なオブジェへと姿を変えます。
水は全てを洗い流す
水は陶芸から植物繊維の処理に至るまで、手工芸の生産過程で常に重要な役割を果たしています。ここでは水が特に不可欠な工程を含む、二種類の手芸品を紹介しています。
パートナーシップ
制作情報:
- キュレーター:ポルトガル文化·青年·スポーツ省、ポルトガル芸術総局 / 国家プログラム 「ノウハウ」
- 展示コンサルティング:ザ·ホーム·プロジェクト·デザインスタジオ
- グラフィックデザイン:スタジオ·オフェリア
- 設営:エレーナ·マルテロ/ リタ·ジェロニモ /プログラム「ノウハウ」